「恥をかく前に知っておきたい慣用句

文字通りの意味で受け取ると変になる」慣用句


No.慣用句 (文字通りの想像)本来の意味
1鯖は足が早い (泳ぐのが速い)魚が腐りやすいこと。
2社長の息がかかっている (誰かにフーッと息を吹きかけている)影響力や権力が及んでいること。
3息子に釘を刺す (体や物に釘を打ち付ける)念を押して、注意しておくこと。
4あいつの尻尾を掴んだ (犬や猫の尻尾を捕まえた)悪事や不正の証拠を掴んだこと。
5子供が巣立った (鳥のように家から飛び立った)子供が成長して独立し、親元を離れたこと。
6猫の額 (猫のおでこ)場所が非常に狭いことのたとえ。
7油を売る (油を販売する)仕事中に無駄話をして時間を潰すこと。
8手を切る (手をナイフなどで切断する)関係を断つこと。
9大目玉を食らう (大きな目玉を食べさせられる)ひどく叱られること。
10太鼓判を押す (太鼓で判子を押す)間違いないと保証すること。
11首を突っ込む (物理的に首を何かに差し入れる)ある物事に、関心を持って深入りすること。
12高嶺の花 (高い山に咲いている花)見て楽しむだけで、手に入れられないもの。
13肩を並べる (誰かの横に立って肩をくっつける)対等の力量であること。
14口車に乗る (口が車になってそれに乗る)巧みな言葉に騙されること。
15手を抜く (体から手を抜き取る)するべき努力や手間を惜しむこと。
16顔が広い (顔の面積が大きい)知人や交友関係が多いこと。
17鼻が高い (鼻が上向きに高い)得意に思うこと。
18水を差す (飲み物に水を足す)仲の良い間柄や、進行中の話の邪魔をすること。
19二の舞を演じる (能や歌舞伎で二番目の踊りを披露する)前の人と同じ失敗を繰り返すこと。
20足を洗う (足を入念に洗う)悪事や好ましくない仕事から抜け出すこと。
21舌を巻く (舌を丸めて口の中にしまう)あまりの見事さに非常に感心すること。
22虫の居所が悪い (体に虫が住んでいてその位置が悪い)機嫌が悪いこと。
23頭が上がらない (物理的に頭を上げることができない)相手に負い目や恩義があって対等になれないこと。
24腰が低い (腰を深く曲げた姿勢)謙虚で丁重な態度であること。
25歯が立たない (歯が折れてしまう、食べ物を噛めない)相手の力が強すぎて対抗できないこと。
26耳を揃える (耳を横に並べる)金額などを全部そろえて渡すこと。
27足を引っ張る (誰かの足を掴んで転ばせる)人の成功や進展を妨害すること。
28肩を持つ (誰かの肩に手を置く)ひいきする、味方をすること。
29一肌脱ぐ (服を脱いで裸になる)親身になって力を貸すこと。
30胸を撫で下ろす (胸のあたりを何度も撫でる)心配事が解決して安心すること。
31腹を割る (お腹を開いて内臓を取り出す)本心を打ち明けること。
32骨を折る (骨を折って怪我をする)苦労する、努力すること。
33目から鱗が落ちる (目から魚の鱗が剥がれ落ちる)あることをきっかけに、急に物事の真理がわかること。
34鵜呑みにする (鵜が魚を丸呑みするように食べる)内容をよく理解せず、そのまま受け入れること。
35話に花が咲く (会話から花が生えてくる)話が盛り上がって尽きないこと。
36のどから手が出る (のどから手が伸びてくる)非常に強く欲しがること。
37肝を冷やす (肝臓が冷たくなる)非常に驚いたり、恐ろしくなったりすること。
38手を焼く (手を火で焼く)扱いに困る、持て余すこと。
39頭を丸める (頭を完全に坊主にする)出家する、謝罪のために髪を切ること。
40茶々を入れる (お茶を淹れて渡す)横から口出しをして、邪魔をすること。
41火に油を注ぐ (燃えている火に油をかける)勢いのあるものに、さらに勢いをつけること。
42顔に泥を塗る (顔に泥を塗りつける)面目を失わせる、恥をかかせること。
43折り紙付き (折り紙が貼られている)保証付き、信頼できること。
44膝を突き合わせる (膝と膝をくっつけ合う)対面して、じっくり話し合うこと。
45袖にする (服の袖を何かする)冷たく扱う、無視すること。
46相槌を打つ (相槌という名の道具で何かを打つ)相手の話にうなずいたり、声をかけたりすること。
47耳にタコができる (耳の中にタコが生える)同じ話を何度も聞いて聞き飽きること。
48地団駄を踏む (地面を足で強く踏みつける)悔しがって、ひどく憤慨すること。
49馬が合う (馬同士が仲良くする)気が合う、意気投合すること。
50舌を出す (口から舌をべろっと出す)あっかんべーをする、からかうこと。
51鼻で笑う (鼻で「フン!」と息を吐き出す)軽蔑して、あざけること。
52地獄の沙汰も金次第 (地獄で閻魔様が砂を撒き散らしている)金銭さえあれば、どんなことでも解決できること。
53手を広げる (腕を大きく開く)事業や活動の範囲を広げること。
54板につく (体が木の板に貼り付く)仕事や地位がその人にふさわしくなること。
55後足で砂をかける (後ろ向きに立って足で砂を蹴りかける)恩義のある人を裏切り、迷惑をかけること。
56耳が痛い (物理的に耳がズキズキ痛む)自分の欠点を指摘されて聞くのが辛いこと。
57鬼の首を取ったよう (鬼の首を本当に討ち取った)大成功を収めて、得意になること。
58腹の虫が治まらない (お腹の中にいる虫が暴れて静かにならない)腹立たしい気持ちが収まらないこと。
59顔に書いてある (顔の皮膚に文字が書かれている)考えていることが表情ですぐにわかること。
60足が出る (靴下から足の指などが出てしまう)予算オーバーで赤字になること。
61口を割る (口をナイフなどで切開する)秘密や本心を白状すること。
62手をこまねく (手と腕を組んでじっとする)何もせずに傍観すること。
63袖の下 (服の袖の下の部分)賄賂(わいろ)のこと。
64のべつ幕なし (芝居の幕が一切降りない)ひっきりなしに、休みなく続くこと。
65根を上げる (植物が根っこを持ち上げてしまう)困り果てて、降参すること。
66肝に銘じる (肝臓に文字を彫り込む)深く心に刻んで忘れないこと。
67目を三角にする (目の形が三角形になる)ひどく怒って目を吊り上げること。
68太い足を出す (太い足がどこかから生えてくる)芸者が客を泊めて揚代を得ること。(現代では使われにくい)
69腰を折る (腰の骨を折る)途中で邪魔をして、勢いをくじくこと。
70空き巣を狙う (空っぽの鳥の巣を狙って観察する)留守中の家に忍び込んで盗みを働くこと。
71火蓋を切る (火縄銃などの火薬部分の蓋を刃物で切る)戦いや、競技、物事を開始すること。
72顎で使う (顎を動かして人を操る)偉そうな態度で人を使うこと。
73地に足をつける (足の裏を地面にぴったりとくっつける)非現実的なことをせず、着実に物事を進めること。
74頭が固い (頭蓋骨が非常に頑丈である)考え方が柔軟でなく、融通が利かないこと。
75口が滑る (口の表面が滑らかで言葉が滑り落ちる)言ってはいけないことをうっかり話してしまうこと。
76顔が利く (顔が特定の力を持っている)その人に権威や信用があるため、無理がきくこと。
77尻に火が付く (お尻に火が燃え移る)物事が差し迫って、慌てること。
78喉が渇く (喉がカラカラに乾燥する)強く望むこと。(「渇望」の意)
79舌が肥える (舌がぶよぶよと太る)食べ物や酒の味を見分ける力がつくこと。
80目が回る (眼球が高速で回転する)非常に忙しいこと。
81壁に耳あり障子に目あり (壁に耳が生えて、障子に目がついている)秘密の話は、どこで誰に聞かれているかわからないこと。
82二足のわらじを履く (片足ずつ違うわらじを履く)同時に二つの職業や仕事を持つこと。
83口を噤む (口を閉じてジッパーで締める)黙って何も言わないこと。
84一石を投じる (一つの石を水面に投げ込む)議論や問題提起のきっかけを与えること。
85手が空く (手のひらや手の甲が空っぽになる)仕事などが一段落して、暇になること。
86手のひらを返す (手のひらを裏返す)態度をガラリと変えること。
87肩の荷が下りる (肩に背負っていた重い荷物が地面に落ちる)責任や重圧から解放されること。
88血の気が引く (全身の血がスーッと引いていく)驚きや恐怖で顔が青ざめること。
89尻餅をつく (お餅をお尻に押し付ける)しりもちをついて転ぶこと。
90土が付く (体に土が付着する)勝負に負けること。
91胸に一物ある (胸のポケットなどに何か物が入っている)心の中に何かたくらみや隠し事があること。
92水を打ったよう (水を撒いたように静かになる)その場が一瞬で静まり返ること。
93棚に上げる (物を棚の上に置く)自分の欠点や不都合な問題を放置して、他人のことばかり責めること。
94雲を掴むよう (空中に浮かぶ雲を掴む)漠然としていて、捉えどころがないこと。
95猫を被る (頭に猫の毛皮などをかぶる)本性を隠して、おとなしそうなふりをすること。
96頭が下がる (頭が地面に向かって下がる)相手を尊敬し、感服すること。
97歯が浮く (歯が歯茎から浮き上がってくる)お世辞や言動が気持ち悪くて不快に感じること。
98馬の耳に念仏 (馬の耳元でお経を読む)いくら言っても効果がないこと。
99鶴の一声 (鶴が一声鳴く)権威者の一言で、周囲が動いて物事が決まること。
100手を染める (手にインクなどで色を付ける)ある物事に関わること。特に悪事を始める場合。
101鼻にかける (鼻に何かを引っ掛ける)自慢すること。
102耳を疑う (自分の耳が本物かどうか確かめる)信じられないようなことを聞いて驚くこと。
103舌の根も乾かぬうち (舌の付け根が乾いていない状態)言ったばかりなのに、すぐに反対のことをすること。
104足を棒にする (足が棒のように硬くなるまで歩く)歩き疲れて非常に疲れること。
105茶飯事 (お茶とご飯の食事)ごくありふれた日常の出来事。
106袖を分かつ (服の袖をハサミなどで切り離す)夫婦や親しい友人が離縁・絶縁すること。
107畳の上の水練 (畳の上で泳ぐ練習をする)理論や知識ばかりで、実践の伴わないこと。
108口裏を合わせる (口と喉の裏側を合わせる)事前に相談して、話の内容を統一すること。
109顔が売れる (顔が商品として売られる)世間に広く知られて有名になること。
110太刀打ちできない (刀で打ち合うことができない)相手の力量が上で、対抗できないこと。
111手を焼く (手を火で炙る)物事の対処に困ること。
112腰を上げる (腰をまっすぐ上に持ち上げる)行動を開始すること。
113爪の垢を煎じて飲む (爪の汚れをお茶にして飲む)優れた人を見習いたいと強く思うこと。
114肩をすくめる (肩を上に引き上げる動作)どうしようもないと諦めたり、驚いたりする様子。
115目を光らせる (目から光を放つ)厳しく監視する、警戒すること。
116耳に胼胝ができる (耳にタコ(イボ)ができる)同じことを何度も聞いてうんざりすること。
117鼻につく (鼻に何かがくっつく)言動が嫌味で、うっとうしく感じること。
118骨抜きにする (魚の骨をすべて抜き取る)気力や活力を奪って、無力にすること。
119足元を見る (足元をじっと観察する)相手の弱点につけ込むこと。
120頭の痛い問題 (物理的に頭が痛くなるような問題)解決が困難で、悩ましい問題。
121口を酸っぱくする (口の中が酸っぱくなる)何度も何度も、繰り返し言うこと。
122歯に衣着せぬ (歯に服を着せない)思ったことを率直に、遠慮なく言うこと。
123胸を張る (胸を大きく前に突き出す)得意になったり、自信を持ったりすること。
124腰が抜ける (腰の力が抜けてしまう)驚きや恐ろしさで立てなくなること。
125手を打つ (手のひらを叩き合わせる)対策を講じる、和解すること。
126油が切れる (機械の潤滑油が無くなる)疲れ切って動けなくなること。
127足を引っ張る (誰かの足を掴んで転ばせる)人の成功や前進を妨害すること。
128身に染みる (体が液体に染まってしまう)物事の程度を深く感じること。
129腹を探る (お腹の中に手を入れようとする)相手の考えや本心を探ろうとすること。
130一肌脱ぐ (服を脱いで裸になる)本気になって手助けをすること。
131目を盗む (誰かの目を盗んで隠す)人の見ていないすきに行動すること。
132舌を噛む (自分の舌を噛んでしまう)失敗を悔やむ、驚いて絶句すること。
133喉から手が出る (喉から手が伸びてくる)非常に強く欲しがること。
134血道を上げる (顔が赤くなってのぼせる)一つのことに熱中して、周りが見えなくなること。
135肩を怒らせる (肩をいからせて威張る)威張った態度をとること。
136顔向けできない (物理的に顔を向けることができない)恥ずかしくて会わせる顔がないこと。
137頭が痛い (物理的に頭が痛くなる)解決策が見つからず、悩んでいること。
138泥をかぶる (全身に泥を浴びる)他人の失敗や罪を、代わりに引き受けること。
139腰を落ち着ける (腰を深く椅子に座らせる)長い間、一つの場所に定住すること。
140耳を澄ます (耳を長く伸ばして音を聞く)注意を集中して聞くこと。
141口を利く (口を何かの道具として使う)発言する、仲介する、世話をすること。
142手を尽くす (持っている手をすべて使い切る)できる限りの手段を試すこと。
143肩入れする (誰かの肩に体重をかける)ひいきする、応援すること。
144臍を噛む (自分のへそを噛む)後悔してもどうにもならないこと。
145手を出す (物理的に手を伸ばす)暴力などを振るう、その物事に関わること。
146鼻を明かす (誰かの鼻を明るく照らす)相手を出し抜いて驚かせること。
147歯止めをかける (歯車にブレーキをかける)物事の進行を途中で止めること。
148腹を肥やす (お腹の脂肪を増やす)不正をして私腹を肥やすこと。
149目を皿にする (目が皿のように丸くなる)目を大きく開いて、注意深く見ること。
150足を棒にして歩く (足が棒のように硬くなるまで歩く)非常に疲れるまで歩き回ること。