電磁波が健康に及ぼす危険性を鑑み、欧米では規制が強化されているが、WHOの委託で始まった日本の超低周波の健康影響についての疫学調査は、政府によって葬られた…。電磁波問題を追い続けるジャーナリストのルポ。

1948年福岡県生まれ。京都大学大学院修士課程修了。朝日新聞社平塚支局勤務。調査報道によって、欠陥車問題や団体定期保険問題などを手がけた。

電磁波が健康に及ぼす危険性については、世界的に研究が盛んだ。世界保健機関(WHO)の超低周波電磁波(送電線、電気製品など)の新指針も発表され、慢性曝露の危険性が指摘された。欧米では電磁波問題の報道も多く、規制が強化されている。ところが、日本では問題を指摘する報道は極めて少なく、政府の規制はおざなりで、野放し状態といえる。しかし現実には、電磁波過敏症がますます増加し、職場では労災問題を引き起こしている。WHOの委託で始まった日本の超低周波の健康影響についての疫学調査は、小児白血病のリスクが高まるとの衝撃的な内容から、政府によって葬られてしまう…。本書は、電磁波問題を追い続けたジャーナリストが、誰も書かなかった真実を告発する渾身のルポ。

第1章 現場からの報告、その一(超低周波編)

第2章 現場からの報告、その二(電磁波過敏症)

第3章 現場からの報告、その三(労働現場)

第4章 空白の二五年、日本初の疫学調査の光と陰

第5章 疫学調査とは何か、欧米と日本の違い

第6章 電磁波から自衛へ

第7章 予防原則へ向けて

資料 「電磁波を規制するWHOの新環境保健基準」(EHC二三八)の“要約部分”

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