ふくらはぎは第二の膀胱である

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ふくらはぎは第二の膀胱である:記事

ふくらはぎは第二の膀胱である

###夜間頻尿を改善するための知識(ふくらはぎ・食事・道具)

####1.「ふくらはぎは第二の膀胱」である理由と対策

夜間頻尿の主な原因:年齢を重ねるとふくらはぎの筋肉量が落ち、血液を心臓に戻すポンプ作用が弱まります。日中、重力で足に溜まった水分が、夜寝て体を横にした途端に全身を巡り、腎臓で尿として作られ、夜間の頻尿を引き起こします。
夜間頻尿の定義とリスク:
夜間に1回以上起きる場合を「夜間頻尿」と定義します(医師の世界)。
回数が多いほど、睡眠の質低下に加え、転倒による骨折や生存率の低下にも関わるリスクがあります。
【対策:初級】夕方の足上げ運動(リセット)
方法:夕方(または寝る4~5時間前)に、ソファーやベッドで足の下にクッションを入れたり、壁に足を立てかけたりして、10~20分ほど足の位置を心臓より高くする。
目的:日中に溜まった水分を寝る前に循環させて尿として排出し、ふくらはぎ(第二の膀胱)を空の状態にしておく。
注意:寝る直前や睡眠中に足上げをすると、かえって睡眠中に循環が活発になりすぎるため逆効果の可能性あり。
【対策:中級】ストレッチとマッサージ(ほぐす)
方法:足首回し、床に座ってつま先を体に引き寄せるストレッチ、アキレス腱伸ばしなどを夕方に行う。
マッサージ:足先から頭側(心臓へ返すイメージ)に向かって、ふくらはぎ全体を優しくさすり上げる。
目的:硬くなったふくらはぎをほぐし、血流を良くして残っている水分を心臓に戻しやすくする。
【対策:上級】ふくらはぎの筋トレ(鍛える)
方法:かかと上げ運動(カーフレイズ)。壁や椅子に掴まって立ち、ゆっくりと踵を上げ、1秒キープしてからゆっくり下ろす。10回を1セットとして1日2セットが目安。
目的:ポンプ機能そのものであるふくらはぎの筋肉を鍛え、水分が溜まりにくい体を作る。
【対策:道具】弾性ストッキングの活用
方法:医療用の男性ストッキング(着圧ソックス)を日中に履く。
目的:物理的にふくらはぎに圧力をかけることで、日中に水分が溜まること(むくみ)を防ぎ、夜の水分循環量を減らす。

####2.食事・飲み物による頻尿対策

水分摂取のタイミング:
寝る2~3時間前からは水分摂取を控えめに(コップ1杯程度まで)。
ただし、昼間の水分摂取を制限しないこと。脱水状態や脳梗塞のリスクを高めるため、メリハリが重要です。
避けるべき飲み物(利尿作用があるもの):
カフェイン:コーヒーだけでなく、緑茶、紅茶、ウーロン茶なども夜間は避ける。利尿作用は3~5時間続く。
アルコール:抗利尿ホルモンの働きを抑制し、尿量を増やすため、夜遅い時間の晩酌は避ける。
代替品:ノンカフェインの麦茶、ルイボスティー、黒豆茶などを活用する。
食事:塩分とカリウム
塩分(ナトリウム):塩分を摂りすぎると、血液や尿中の水分が増え、尿量が増加します。特に夜間頻尿と関連性が指摘されています。
カリウム:体の余分な塩分(ナトリウム)を排出するのを助けるミネラルです。
多く含む食材:ほうれん草・小松菜などの葉物野菜、アボカド、バナナ、きのこ類、海藻類、いも類など。
食事の工夫:減塩を心がけ、カリウムが豊富な和食中心のメニュー(例:具だくさんの味噌汁、小松菜のおひたし、わかめと豆腐の味噌汁)を意識する。

####3.睡眠の質を上げる対策

目的:ぐっすり眠れていれば、多少尿意があっても朝まで起きずに済むことがあるため、睡眠の質を高めることが間接的な対策になります。
具体例:遮光カーテンで部屋を暗くする、耳栓で音の対策をする、自分に合った枕やマットレスを選ぶ、温度・湿度を調整するなど。