ケトンダイエット
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ケトンダイエットについて解説します。
ケトンダイエット(ケトジェニック・ダイエット)とは、非常に厳しく糖質を制限し、その代わりに脂質を主なエネルギー源として摂取する食事療法です。この食事法によって、体を「ケトーシス」と呼ばれる状態へ導き、体脂肪の減少などを目指します。
1.仕組み(ケトーシスへの誘導)
通常、人間の体は、食事から摂取した糖質(ブドウ糖)を主要なエネルギー源として利用します。
ケトンダイエットで糖質の摂取量を極端に少なく(一般的に1日20\text{g}~$60\text{g}$以下)すると、体内のブドウ糖が枯渇します。すると体は、生きるための代替エネルギーを作り出すために、蓄えられている脂肪を分解し始めます。
この脂肪の分解によって肝臓で作り出されるのが「ケトン体」です。ブドウ糖の代わりにケトン体が脳や筋肉のエネルギー源として利用される状態が「ケトーシス」と呼ばれます。
ケトーシス状態になることが、効率的な体脂肪の燃焼につながると考えられています。
2.食事のポイント
ケトンダイエットの基本的な栄養バランス(PFCバランス)は、「超低糖質、高脂質、適量タンパク質」が基本となります。カロリー比で「タンパク質:脂質:糖質\approx3:6:1」とする例が多く見られます。
糖質(炭水化物):
ご飯、パン、麺類、芋類、砂糖、甘い飲み物などを極端に制限します。
摂取量は1日50\text{g}~$60\text{g}$以下を目安とすることが多いです。
脂質:
オリーブオイル、MCTオイル、アボカド、ナッツ、脂の乗った魚など、良質な脂質を積極的に摂取します。エネルギーの大部分を脂質から摂ることになります。
タンパク質:
肉、魚、卵、チーズなどから適量を摂取します。タンパク質が多すぎると一部が糖に変換されてしまい、ケトーシスが妨げられる可能性があるため、過剰摂取には注意が必要です。
3.メリット(期待される効果)
体脂肪の効率的な燃焼:ケトーシス状態では、脂肪がエネルギーとして使われやすくなります。
食欲の抑制:ケトン体の一種に食欲を抑える作用があると言われています。
短期間での体重減少:特に初期にグリコーゲンと結びついた水分が排出されることで、一時的に体重が減少しやすいです。
血糖値の安定:糖質摂取を抑えるため、血糖値の急激な上昇が抑えられます。
4.注意点・リスク
ケトンダイエットは効果が期待できる反面、いくつかの注意点やリスクもあります。
栄養バランスの偏り:糖質制限により、穀物や一部の野菜に含まれるビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しやすくなります。
体調の変化:ケトーシスへの移行期に、吐き気、頭痛、疲労感、口臭(ケトン臭)などの体調不良(ケトフルー)が起こる場合があります。
腎臓への負担:高タンパク食になりすぎると、腎臓に負担をかける可能性があります。
特定の疾患を持つ人:糖尿病の方(特にインスリン治療中)、腎臓や肝臓に疾患を持つ方、脂質異常症の方などは、医師や専門家の指導なしに行うのは大変危険です。
まとめ
ケトンダイエットは、代謝の仕組みを大きく変える強力な食事法です。実践する場合は、正しい知識を持ち、良質な脂質を選び、適量のタンパク質とビタミン・ミネラルを意識することが重要です。
特に持病がある方や不安がある方は、開始前に必ず医師や管理栄養士に相談してください。


















