ナノプラスチック(NP)と認知症の関係

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ナノプラスチック(NP)と認知症の関係:資料


ナノプラスチック(NP)と認知症の関係:記事

マイクロプラスチック(MP)およびさらに微細なナノプラスチック(NP)と認知症の関係については、近年の医学研究で**「脳への蓄積」と「症状の悪化との相関」**が次々と報告されており、世界的に注目が集まっています。

科学的・医学的な視点から、そのメカニズムと現在の研究状況を解析します。

1. なぜ脳に蓄積するのか(侵入経路とメカニズム)

本来、脳には「血液脳関門(BBB)」という強力なバリアがあり、有害物質の侵入を防いでいます。しかし、以下の理由でプラスチック粒子が脳に到達することが判明しています。

* バリアの突破: ナノサイズ(1マイクロメートル未満)まで微細化したプラスチックは、この血液脳関門を物理的に通り抜けることが可能です。

* 嗅神経経由: 鼻から吸い込んだ微粒子が、鼻腔の神経(嗅球)を介して直接脳へ到達するルートも指摘されています。

* 脳の特性: 脳は脂肪分が豊富で血流量も多いため、脂溶性(油に溶けやすい)に近い性質を持つプラスチック粒子が吸着・蓄積しやすい環境にあります。

2. 認知症との相関を示す医学的データ

2024年から2025年にかけて発表された研究では、驚くべきデータが示されています。

* 蓄積量の差: 亡くなった方の脳を解剖した調査によると、認知症患者の脳からは、健康な人の約10倍ものマイクロプラスチックが検出された例があります。

* 臓器比較: 脳内のプラスチック濃度は、肝臓や腎臓などの他の臓器と比較して7~30倍も高いという報告があります。これは脳が異物を排出する機能が他の臓器より低いためと考えられています。

* 認知機能の低下: 脳脊髄液中のポリエチレン(PE)濃度が高いほど、アルツハイマー病患者の認知機能スコア(MMSE)の低下速度が速いという相関も確認されています。

3. 脳内で何が起きているのか(病理学的予測)

プラスチックが直接認知症を「発症」させるのか、あるいは「悪化」させるのかは研究途上ですが、以下の悪影響が懸念されています。

* 慢性的な炎症: 異物であるプラスチックが脳細胞(マイクログリアなど)を刺激し続け、脳内で慢性的な炎症を引き起こす。

* 酸化ストレス: 粒子の表面で活性酸素が発生し、神経細胞を損傷させる。

* タンパク質の変性: アルツハイマー病の原因とされる「アミロイドβ」の凝集を、プラスチック粒子が促進する可能性が示唆されています。

* 有害物質の運び屋: プラスチックは表面に重金属や化学物質を吸着しやすいため、これらを脳の深部まで運び込む「トロイの木馬」のような役割を果たすリスクがあります。

4. 考察と今後の展望

現時点では**「高い相関関係がある」ことは事実ですが、「プラスチックが唯一の直接原因である」と断定するにはさらなる研究が必要**です。

しかし、2016年から2024年の間に、ヒトの脳から検出されるプラスチック量が約50%増加したという衝撃的なデータもあり、現代社会において回避不能なリスクとなりつつあります。

私たちができる対策

* プラスチック容器の加熱を避ける: 電子レンジでプラスチック容器を加熱すると、大量のナノプラスチックが食品に溶け出します。

* ペットボトルの利用を減らす: 水道水よりもペットボトル水の方がプラスチック粒子の含有量が多い傾向にあります。

* 適切な換気: 室内の埃(衣類の合成繊維など)にもマイクロプラスチックは含まれるため、吸い込まないための掃除と換気が有効です。